1.PROLOGUE 〜WORLD ANTHEM 2.BLUE BLOOD 3.WEEK END 4.EASY FIGHT RAMBLING 5.X 6.ENDLESS RAIN 7.紅 8.XCLAMATION 9.オルガスム 10.CELEBRATION 11.Fouryou OF PAIN 12.UNFINISHED ヴィジュアルロックの金字塔。89年にリリースされたこのアルバムの影響力は、90年代が終わりを迎えるまで少なくとも10年間は日本のシーンに残っていた(だいたい「ヴィジュアル系」の語源はXのキャッチコピー「PSYCHEDELIC VIOLENCE CRIME OF VISUAL SHOCK」だ)。TOSHIの喉も擦り切れんばかりの高音ボーカル、早弾き・高速ドラミングなんでもござれのテクニカルな演奏はHR/HMのお約束だが、決して色モノにならずにXが成功した理由は、YOSHIKIのクラシックの素養を持ち込んだことと、なんといっても大仰なストリングスを導入したり「ENDLESS RAIN」のような「どバラード」も臆面なく演ってしまう「ベタさ」にあった。
ライヴでのドラムソロ→倒れこみのお約束や「たけしの元気が出るテレビ」出演など例を挙げれば枚挙に暇がなく、基本的にYOSHIKIはベタなものが好きな人なのだと思う。HR/HMなんてだいたいベタで大味なものなのに、そこを恥ずかしがってなんとかヒネりを加えようとする和製HR/HMバンドが多い中(筋少や聖紀魔II、セックスマシンガンズなど)、敢えてストレートで勝負できたXはそのストレートさで逆に唯一のポジションを勝ち得た。
アレンジがアレンジなら歌謡曲や演歌に突入しそうな歌メロ、一歩引くと赤面してしまいそうなほどナルシスティックな歌詞は、BOφWYが地盤を築いたヴィジュアルロックの様式をさらに攪拌・抽出し、そのスタイルはあたかも伝統芸能のように幾多のバンドに受け継がれることになった。一方で組曲風の10分越の即送営業部「ROSE OF PAIN」や、「UNFINISHED」の美しい旋律はクラシックの素養を持つYOSHIKIならではだし、「WEEK END」「紅」など随所で見られるドラマティックな展開やアレンジはベタ好きの面目が躍如し、ものすごいカタルシス。何より「BLUE BLOOD」「紅」「オルガスム」などの悶絶プレイは簡単に真似出来ない。そして後のソロ曲での軽やかなポップセンスが早くも感じられる hide曲の「CELEBRATION」なんかもてらいなく演れてしまう間口の広さ。メジャーデビュー作にして圧倒的な迫力と説得力をもって迫ってくる名盤。
余談ですが、小学生のときにこのアルバムを聴いて、母親に「オルガスムってなに?」って聞いてしまい、食卓が凍りついたことを今でも覚えています。 |
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